2009年5月14日木曜日
「VJが訊く!」スタート
5月6日、VJU企業組合準備会の主催で、映像&トークイベント「VJが訊く!」が、いよいよスタートした。取材相手や取引先と会うのに忙しくて、必ずしも交友が広いとはいえない自分にとって、イベントというのはありがたい。今回は「フリーランサーの労働」をテーマにしたこともあって、畑違いの人々と問題を共有できたのが、何より嬉しかった。
われわれフリーランサーに対する世間の目は、実際かなり厳しい。「やっかみ半分、憧れ半分」といったところだろうか。「特殊な技能を持っている」と尊重された時代は遥か遠く、「好きなことをしているのだから、苦しい目にあって当然」というような差別的な対応はもはや日常である。正社員による非正規雇用労働者への差別とかなり近い。
だからといって、終身雇用労働者を敵視するつもりはない。社会にはいろいろな生き方があってよいし、お互いに必要としているから、お互いが生きている。その視点を忘れてはならない。彼らはそう思ってくれてはいないないようだが(笑)
イベントの打ち上げで若い仲間と話していて、「敵はどこにいるのか」という次回のタイトルを、シリーズ全体のタイトルにしてはどうか、という意見が出た。そう、立場の違う者同士のいがみ合いは、敵の思うつぼ。「新自由主義の破綻」という「第二の敗戦」時代に、われわれジャーナリストが行うべきことは、まず第一に敵を明らかにすることだ。
この事態はジャーナリズムに対しても変容を促す。高度成長の時代、テレビや新聞の対象は「平和で豊かな生活を営む、善意の一般市民」だった。しかし、そんなステレオタイプのマス(大衆)の存在は今や非常に疑わしい。ライフスタイルの多様化と格差の進行は、視聴者(読者)のニュースに対する当時者性を増すだろう。極端に言えば、「ホームレスがかわいそう」という見方をする視聴者(読者)より、「自分がホームレスになったら、どう生きるべきか」と考える視聴者(読者)が増えるということだ。
われわれは、メッセージのあり方自体を見直していかなければならない。新たな闘いの時が来た。
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いつのまにかバナーまで出来てるじゃないですか!
返信削除俺も乗り遅れないように自分の作らなきゃ。。
敵があやふやなまま個々の事例を問題視していてもなかなか解決策には結びつかないですよね。問題だらけの世の中でひとつひとつの問題を社会全体とどう位置づけて考えられるか。
情報過多かつ世の中のスピードが速い現代社会ではとても難しい事だと思いますが、そういった目線を持ってして初めて真の解決法が見つかると思います。
がんばって勉強しなきゃなぁ〜
「新宿路上TV」をやっていた頃、「これはいずれ大変なことになる」という実感だけがあって、雇用・労働問題のここまでの惨状を予測することができませんでした。時代の奔流に流されることなく、先を読んで闘っていく鋭さが必要ですね。
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